売買目的有価証券というのは、

売買を目的として購入した株式や国債、公債、社債などのことを言います。 これらは「売買目的有価証券」勘定で処理することになります。 「売買目的有価証券」は「資産」です。

仕訳の際には株式などの取得価格も「売買目的有価証券」勘定の中に含みます。

たとえば、売買を目的として1株20,000円の株式を10株小切手を振り出して購入し、取得費用10,000円を現金で支払った、とします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
売買目的有価証券210000当座預金200000
現金10000

と、なります。

また、株式は価値が変動していくものなので、購入したときと売却するときでは価格に差があることがあります。

たとえば、売買を目的として購入した1株20,000円の株式(取得費用10,000円)を10株、1株18,000円で売却し、代金は現金で受け取った、とします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金180000売買目的有価証券210000
有価証券売却損30000

と、なります。

取得費用を含めた買値よりも売値の方が安ければ「有価証券売却」勘定を、取得費用を含めた買値よりも売値の方が高ければ「有価証券売却」勘定を使用します。 有価証券売却損は「費用」、有価証券売却益は「収益」になります。

さらに、決算時には評価替えを行います。 帳簿価格(購入価格+取得費用)を、時価に振り替えます。

たとえば、売買を目的として購入した1株21,000円で購入した株式の、決算日の時価が1株21,500円になっていた、とします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
売買目的有価証券5000有価証券評価益5000

と、なります。

決算時の評価替えは、評価の変更分だけを仕訳することになります。

計算式で表すと、

21,500(一株あたりの時価)×10(株数)-21,000(一株あたりの値段)×10(株数)=5,000

と、なります。 評価が下がった場合には「有価証券評価損」勘定を使用します。 有価証券評価益は「収益」、有価証券評価損は「費用」になります。

posted by Png mari on Thu 27 Mar 2008 at 01:02

通貨代用証券というのは、

小切手(自分で振り出したものは除く)

送金小切手(遠方の取引相手に代金を送るための小切手)

郵便為替小切手(遠方の取引相手に代金を送るための郵便為替小切手)

期限到来済みの公債利札・社債の利札(国債、地方債などの公債や、会社が発行する社債の利息の支払を受ける札)

配当金領収書(配当金がある株を持っている場合に、株式を発行している会社から送られてくる配当金の引き換え券)

以上のようなもので、銀行などに持参すればいつでも通貨(現金)に変えてくれるものの事を言います。 これらは、仕訳では「現金」勘定を用いて処理します。

たとえば、公債の利息50,000円を受け取った、とします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金50000受取利息50000

と、なります。

また、たとえば株の配当金領収書3,000円が送られてきた、とします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金3000受取配当金3000

と、なります。

これらの直接的な処理はあまり簿記の問題でも出てきませんが、「現金」勘定で処理をする、ということだけは覚えておく必要があります。

posted by Png mari on Tue 25 Mar 2008 at 23:31
23rd Sun

小口現金

小口現金とは、すぐに使用できるように会社に置いておく小額の現金のことを言います。

インプレスト・システム(定額資金前渡制)

インプレスト・システムとは、小口現金に定額を決め(たとえば、50,000円)、前週に使用した分(たとえば、34,000円)を補填して週のはじめは常に一定の金額にしておくことを言います(週の終わりに補填することもあります)。

小口現金は仕訳には出てきません。

たとえば、週の終わりまでに交通費20,000円、通信費14,000円を使用し、翌週のはじめに当座預金から34,000円を小口現金として補填したとします。 その場合に、小口現金を含めた仕訳にしてしまうと、

借方貸方
交通費20000小口現金34000
通信費14000
小口現金34000当座預金34000

と、なります。 小口現金から、交通費と通信費を使用し、当座預金から小口現金に補填しているという仕訳です。 小口現金が借方にも貸方にもあり、その金額が同額であるので、両者とも削除することができます。 ですので、正しくは、

借方貸方
交通費20000当座預金34000
通信費14000

と、なります。

小口現金に関しては、仕訳に出てこない代わりに、小口現金出納帳に、お金の出入りを書いていくことになります。

posted by Png mari on Sun 23 Mar 2008 at 21:30
21st Fri

当座借越

当座借越とは、当座預金の預金残高を超えた小切手を振り出すことができることを言います。 預金残高を超えた金額に関しては、銀行からの借入金という認識となります。

この処理については、二通りの方法があります。

当座」勘定で処理をする場合(一勘定制)

この処理の場合は、預金残高を超える金額の仕訳については、「当座預金」勘定は使用しないことになります。

当座預金の残高は300,000円の場合に、買掛金の支払いで400,000円の小切手を振り出したとします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
買掛金400000当座400000

と、なります。

次に、売掛金200,000円を現金で回収し、直ちに当座預金に預け入れたとします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
当座200000売掛金200000

と、なります。 いくらが借入金で、当座預金にいくら残っているのかを気にせずに、全て「当座」勘定を用いることとなります。 「当座」勘定は当座預金がマイナスの場合でもプラスになっても用いるので、「資産」と「負債」の両方の性質を持つこととなります。 仕訳のたびに、「当座」勘定が資産か負債かを考える必要があります。

当座借越」で処理をする場合(二勘定制)

この処理の場合は、預金残高を超える金額の仕訳については、「当座借越」勘定を使用することとなります。

当座預金の残高は300,000円の場合に、買掛金の支払いで400,000円の小切手を振り出したとします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
買掛金400000当座預金300000
当座借越100000

と、なります。

次に、売掛金200,000円を現金で回収し、直ちに当座預金に預け入れたとします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
当座借越100000売掛金200000
当座預金100000

と、なります。 借入金=当座借越ということになるので、いくら銀行から借りているのか、当座預金はいくらあるのかがわかりやすい仕訳になります。 「当座借越」勘定は「負債」になります。

posted by Png mari on Fri 21 Mar 2008 at 22:16
20th Thu

現金過不足

しばらくは勘定科目についてご紹介してきましたが、今日は少し違うことを書いていきます。 「現金過不足」というのは、帳簿上の現金の金額と、実際に存在する現金の金額とが合致しない場合の処理になります。 金額が異なっている場合、常に「実際の金額」に合わせます。

実際の現金が多い場合

帳簿上の金額が少ないわけですから、帳簿上の現金を増やす処理になります。 仮に、 実際の現金=105,000円 帳簿の金額=100,000円 だったとします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金5000現金過不足5000

と、なります。

現金を増やさなければいけないので、借方は「現金」になります。 現金が増えた原因は、きちんと調査をすれば判明することも多いかと思いますが、帳簿と実際の金額が違ったと判明した時点で、とりあえず相手方を「現金過不足」として処理します。

その後の調査の結果、現金が増えたのは利息を受け取っていたからだと判明したら

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金過不足5000受取利息5000

と、なります。

実際の現金が少ない場合

帳簿上の金額が多いわけですから、帳簿上の現金を減らす処理になります。 仮に、 実際の現金=94,000円 帳簿の金額=100,000円

だったとします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金過不足6000現金6000

と、なります。

現金を減らさなくてはいけないので、貸方が「現金」になります。

その後の調査の結果、現金が減ったのは備品を購入したからだと判明したら

その場合の仕訳は、

借方貸方
備品6000現金過不足6000

と、なります。

調査をしても、現金が増えた、または減った理由がわからないことがあります。 その時には、「雑損」勘定、または「雑益」勘定を用いることになります。

実際の現金が多く、原因が判明しなかった場合の仕訳は、

借方貸方
現金過不足5000雑益5000

実際の現金が少なく、原因が判明しなかった場合の仕訳は、

借方貸方
雑損6000現金過不足6000

と、なります。

雑損は「費用」、雑益は「収益」です。

posted by Png mari on Thu 20 Mar 2008 at 10:20

商品を仕入れたり売り上げたりするときには、必ずしも商品の受取と支払などを同時にできるわけではありません。 商品の仕入に関して、月末に料金を支払う場合には「買掛金」勘定を使用します。 また、売上に関して月末に料金を受け取る場合は「売掛金」勘定を使用します。 買掛金は負債、売掛金は資産です。

たとえば、商品400,000円を仕入れ、支払いは月末とした、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
仕入400000買掛金400000

と、なります。

また、たとえば、商品500,000円を売上、300,000円を現金で受け取り、残りは掛とした、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
現金300000売上500000
売掛金200000

と、なります。

買掛金、売掛金の回収時にも仕訳をします。

たとえば、買掛金400,000円を小切手で支払った、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
買掛金400000当座預金400000

と、なります。 一番上の例題の買掛金は相殺されたことになります。

また、たとえば、売掛金200,000円を小切手で回収した、とします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金200000売掛金200000

と、なります。

売掛金、買掛金は頻繁に出てくる勘定科目ですので、早めに慣れることが必要になります。

posted by Png mari on Mon 17 Mar 2008 at 23:08
16th Sun

当座預金

当座預金というのは、小切手を振り出すことができる預金で、利息がつきません。 簿記では小切手でのやりとりが多いので、勘定科目としての「当座預金」は良く出てきます。 当座預金は資産です。 小さな会社では小切手を使うほどの取引がない場合も多いので、実際には使われない場合もあります。

当座預金が勘定科目に出てくる仕訳を見てみましょう。

たとえば、備品300,000円を買い入れ、小切手を振り出して支払った、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
備品300000当座預金300000

と、なります。

「小切手を振り出した」場合の貸方の勘定科目は当座預金になります。

また、たとえば、現金で受け取った手数料50,000円をただちに当座預金に預け入れた、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
当座預金50000受取手数料50000

と、なります。

一旦は現金で受け取りましたが、最終的には当座預金に預け入れているので、「現金」の勘定科目は使用しません。

さらに、たとえば、商品100,000円を販売し、小切手を受け取った、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
現金100000売上100000

と、なります。

小切手を振り出した場合は「当座預金」を使用しますが、受け取った場合には「現金」を使用します。 小切手を振り出すと当座預金が減るので、「当座預金」を使用する、というのはわかりやすいかと思います。 小切手は現金と同じ扱いをされる(通貨として使用可能)ので、小切手を受け取った場合には「現金」が増えることになります。

上記の仕訳の続きで、受け取った小切手を当座預金に預け入れた場合は、

借方貸方
当座預金100000現金100000

と、なります。

posted by Png mari on Sun 16 Mar 2008 at 22:25

もうすぐ、はじめての決算期を迎えます。 決算にあたって、提出しなくてはならない書類がいくつかあります。

・貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう) ・損益計算書 ・株主資本等変動計算書 ・勘定科目内訳明細書 ・事業概況説明書

以上の5点です(地域によって増減があるかもしれませんので、お近くの税務署にご確認ください)。

この5点のうち、後ろの2点(勘定科目内訳明細書、事業概況説明書)は、税務署から書類が送付されます。 ほかの3点については、自社で作成しなくてはなりません。 普通の会社であれば、会計ソフトなどを使用していると思うので、その中に入っているかと思いますが、S21Gでは経理はすべて手作業となっています。 ですので、各書類も自作しなくてはなりません。 貸借対照表では、一年間の資産と負債と、損益計算書では、一年間の費用と収益をまとめます。 残りの株主資本等変動計算書は、資本金の内訳を詳しく記す用紙となります。 が、合同会社には株主はいませんので、資本金も特に細分化はされません(株主がいなくても細分化される場合もあるかもしれませんが)。 書くことがない書類でも提出しなければならないのかが不明だったおで、税務署に問い合わせてみました。 聞いてみましたところ、書くことがなければ提出はしなくて良いとのことでした。

これらの書類を用意して、その書類から法人税などを確定して、事業年度終了日の翌日(事業年度開始日)から二ヶ月以内に確定申告書を提出して税金を納めます。

今回は半年にも満たない期間ですし、それほど大変ではないと思いますが、問題なくすんなり終わらせたいです。

posted by Png mari on Thu 13 Mar 2008 at 12:55
12th Wed

仕入と売上

お店で商品を販売するにあたっては、品物を仕入れて、お店に並べて、お客さんが購入してくれて、それが売上となります。 この「仕入」と「売上」について書いていきます。

仕入と売上も、仕訳をしていきます。

たとえば、現金200,000円で商品を仕入れた、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
仕入200000現金200000

と、なります。

仕入によって品物が増加し、仕入によって現金が減少します。 仕入は「費用」になります。 ですので、増加するときは借方に、減少するときは貸方に記入をします。

また、たとえば、商品を販売して現金400,000円を売り上げた、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
現金400000売上400000

と、なります。

売上は「収益」になります。 ですので、増加するときは貸方に、減少するときは借方に記入します。

仕入は「売上原価」とも言います。お店が利益を加味した値段(売上時の値段)と、仕入時の値段の差から、「売上総利益」を求めることができます。

一ヶ月間の売上原価が350,000円で、売上が400,000円だった場合、

400,000-350,000=50,000

売上総利益は、50,000円となります。

posted by Png mari on Wed 12 Mar 2008 at 13:21
11th Tue

借方と貸方

現在は簿記2級を勉強中ですが、復習も兼ねて3級のはじめから自分なりにまとめていこうと思います。 あくまでも「自分なりに」ですので、間違いなどもあるかもしれません。参考程度に読み流していただければと思います。

まず、簿記とは。 簿記というのは、お金の出入りをまとめること、と言えると思います。 利益がいくら出たのか、いくらの資産が残っているのか、そういうことをまとめる知識を学ぶのが簿記です。

簿記では専門の用語なども数多く登場しますが、一番はじめに覚えるべきなのは、「借方」「貸方」の二つかと思います。 二行の表を作って左側を借方、右側を貸方とします。 この表に、現金の出し入れ、商品の仕入れ、売上などを「仕訳」します。

たとえば、交通費5,000円を現金で支払った、とします。 その場合の仕訳は、

借方貸方
交通費5000現金5000

と、なります。 仕訳に書かれた「交通費」「現金」などを勘定科目といいます。

借方の交通費は「費用の増加」、貸方の現金は「資産の減少」を意味します。 (借方、貸方が表の左側に寄っていますが、実際は中央にあります)

費用の増加は借方に、費用の減少は貸方に書きます。 資産の増加は借方に、資産の減少は貸方に書きます。

資産というのは、 ・現金、商品、会社が購入した建物、土地、有価証券、備品などです 費用というのは、 ・給与、支払家賃、消耗品費、交通費、通信費(切手代などです)、広告宣伝費、支払利息などです

ここまでの情報だと、増加は借方に、減少は借方に書くように思いますが、実際には異なります。

収益の減少は借方に、収益の増加は貸方に書きます。 負債の減少は借方に、負債の増加は貸方に書きます。

収益というのは、 ・受取手数料、受取利息、受取配当金などです 負債というのは、 ・支払手形、借入金、資本金(資本金は純資産とも言います)などです

たとえば、手数料500円を現金で受け取った、とします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金500受取手数料500

と、なります。

たとえば、現金100,000円を借り入れた、とします。

その場合の仕訳は、

借方貸方
現金100000借入金100000

と、なります。

現金、受取手数料、借入金のすべてが増加しています。 受取手数料の増加というのがピンと来ないかもしれませんが、お金としての「受取手数料」ではなく勘定科目としての「受取手数料」が増加していくと捉えてもらえればわかりやすいかもしれません。

簿記の基本中の基本である仕訳は、このように行います。

posted by Png mari on Tue 11 Mar 2008 at 09:53
Contents
売買目的有価証券
通貨代用証券
小口現金
当座借越
現金過不足
売掛金と買掛金
当座預金
決算について
仕入と売上
借方と貸方
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