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新規に開発したサービスを、初期の目標であるアーリーマジョリティにリーチさせる経路は、大体次の3つの方法しかないと思います。
(1)イノベイターやアーリーアダプターを経た口コミ
(2)お金を掛けたプロモーションによるダイレクトアピール
(3)既にアーリーマジョリティに到達している自社サービスから誘導する
(2)を選べるのなら何の問題も無いわけですが、リスクが高めです。(1)を選ぶ場合はリスクはほとんど無いですが、ある程度のユーザ数(5万ユーザぐらいらしいです)を超えてからキャズムを超えるのが大変になります。(3)は一番楽そうですが、そのようなサービスを持っていない新興企業の場合は選択肢に入らないですね。
多くの新興サービス提供者は(1)の道を選び、そしてキャズムの壁に苦しんでいるわけです。
イノベイターに受け入れられるサービスを作れば、ある程度のユーザ数まではすんなり増えて、その後伸び悩む。あるいはマジョリティだけを見てサービスを作れば、ユーザ数が増えるスピードはかなり遅いけれども、キャズムを超えるのは簡単(むしろキャズムは存在しない)。
で、このどちらかしかありえないのかというと、そうでもないわけです。イノベイターに受けるものは一般の利用者には受けないとは限らないわけで、両者に受ける(キャズムの無い)サービスを考えれば良いわけですね。
まあそれは非常に難しい事なのだけれども。
それで何が言いたかったかというと、プロモーションにお金を掛けないのならば、イノベイターやアーリーアダプターを無視してサービスを考える事はありえないという事です。例え本当にサービスを届けたい相手がマジョリティだけだったとしても。
最初から両方に受け入れられるものを作るか、イノベイターに受け入れられるものを作って、それからキャズムを超える努力をするか。
最初からしっかりしたサービスをリリースしていくのであれば前者が、β版やα版のサービスをどんどん作っていくという立場ならば後者の方が良さそうですね。
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